Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
刃を返して受止めたが、踏み込んだ相手の激しい力に押された。
――しまった。
躰を捻ろうとしたが、そのために却って躰が崩れ、足をとられて転倒した。
やられる、と思った。
刀を上段に振上げた相手の、劈くような叫びと、大きくみひらいた眼と、電光のように閃く刀とが、幻覚のようなすさまじい印象で、彼の上へのしかかって来た。
八
まさに「万事休す」と思った。
上段から打ちおろす刀を、僅かに躱したが、二の太刀は受けきれなかった。
だが、――相手は打ち込んだとみるとたん、ぞっとするような悲鳴をあげて、横ざまにのめっていった。
――どうした。
万三郎ははね起きた。
するとすぐ向うに、覆面の怪剣士が立っていた。万三郎はあっと叫んだ。
「石黒先生!」
だが、怪剣士は燕のように身を翻し、再び乱闘の群の中へと姿を消した。それを追おうとすると、
「待て三郎」
休之助の声がした。竪壕はいいのか、と呼びかけたときから、それまでの出来事を見ていたのだろう、走って来て叱りつけた。
「敵はみんな斬死にの覚悟だぞ、脇目をふるな」
まさに脇目をふる暇はなかった。彼の言葉が終るまえに、兄弟は五人ばかりの敵に挾まれた。