Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

「よしてくれ、旦那なんて柄じゃねえや」

「よかったわ、嬉しい」

おちづはいきなり半次の手を取りそれを振りながら、昂った声でうたうように云った。

「あんたが船半って看板を出すころには、あたし仲町で第一の姐さんになってみせるわ、それまでにできるったけ稼いで、きれいにひき祝いをして船半の帳場へ坐るのよ、それまで二人で辛抱しようね、半ちゃん」

半次はてれたように頷いた。

「あたしたち運がよかったのよ、こんなに運のいい人ってそうありゃしないわ、よかったわね、半ちゃん」

おちづは半次の手に頬ずりをし、低く、祈るように云った。

「お願いです、神さま、どうぞこの運がこわれませんように」

そしてくくと泣きだした。

半次は途方にくれて顔をそむけたが、彼の眼からも涙がぽろぽろとこぼれ、唇がひきつった。彼もまた心のなかで祈った。

――神さま、どうかちい公の願いをかなえてやって下さい、もう二度とちい公を不仕合せにしないように、守ってやって下さい。

そのとき座敷から、

「どうしたんだその二人は」と万三郎の呼ぶ声がした。

「祝いの席から無断でぬけてはいけないな、話が済んだら来て坐れ、また美味い物が出て来たぞ」