Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
「休之助にもむろん読めやしない、いちどは捨てようと思ったが、珍しいのでとっておく気になったのだそうだ」
ほんの好奇心で持っていたのだが、ついで、これもごく単純な好奇心からであったが、ふと思いついて榊原主膳に見せた。主膳は蘭学が好きで、中川淳庵に学んだことがあるし、「ピートル・マーリン」の辞書というのを持っていた。
「その主膳というのは」
と万三郎が訊いた。
「つなさんが身を寄せたという、宇田川町の榊原主膳ですか」
「そうだ、休之助とは聖坂(学問所)での友達なんだ」
徹之助はこう頷いて続けた。
主膳はその文字を見て、これはオランダ語ではないと云った。自分にはわからないが、語学に精しい知人があるから、それに読んでもらおう。そういうのでそのときは置いて来た。それから四五日して、主膳のほうで休之助を訪ねて来て、
――知人にも判読できないところがあるが、言葉はイスパニア語で、翻訳するとこんな意味になるそうだ。
こう云ってその知人の書いた訳文というのを示した。
「その訳文がこれだ」
徹之助はさらに一枚の、半紙に書いたものを取って、万三郎の手に渡した。それには、あまりうまくない筆の走り書きで、次のような文章が記してあった。