Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

万三郎はついつりだされる。

「おれはいつも叱られてばかりいたからね、あの人の前にいると必ずなにか失敗するんだ、あの人がきちんとすまして、じっとこっちを見られると冷っとするからね、なんだかいつもこわい叔母さんに睨まれてるような心持だったよ」

「あらそうかしら」

かよは満足そうに、こんどは唇へ紅をさしながら云った。

「だって向島の青山さまの下屋敷で、あなたははっきり仰しゃいましたわ、私とつなさんとは許婚者も同様ですって、そうでしょ」

「私は怒りっぽいほうじゃないが、ぜんぜん怒らない人間でもないんだぞ」

「まあ嬉しい」

かよは化粧を終って、こう云いながら万三郎の手を取った。

「あたしまだあなたのお怒りになったのを見たことがないでしょ、あなたはがまん強くて、いつも親切でおやさしかったわ、でも、――怒ったらどんなにすてきだろうって、あたしいつも考えていましたのよ」

「さあ、――よかったら寝ようじゃないか」

万三郎はてれたように、眼をそらせながら立った。かよが鼻声で云った。

「ねえ、立たせて」

万三郎は手を取って援け起こした。かよはぴったりより添いながら、

「寝るまえにお盃をするの」