Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

若夫婦が狭い庭に立っていた。万三郎は左の手に、大きな鳥籠を持っている、――それは、深川の井伊家にあったもので、中には七羽の紅雀が入っていた。

「そら、生れ故郷へ帰れ」

万三郎は籠をあけながら云った。紅雀の一羽が、ぱっと飛び立ち、続いて二羽、また一羽が舞いあがった。

かよは良人により添って、はれぼったい眼を細めて、かれらの飛び去るのを、放心したように眺めていた。

残りの三羽も籠から飛び立ち、暫く庭の葉桜の枝で鳴き交わしていたが、そのうちに、つぎつぎと高く舞いあがって、爽やかな朝空のかなたへと消えていった。

「無事にお帰り、さよなら」

万三郎が手を振りながら叫んだ。それからその手を妻の肩にまわして云った。

「これで残りなく片づいたよ」

「いいえ」

とかよが良人を見あげながら云った。

「わたくしたちの日が始まるんですわ」