Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
女は急に暴れだした。
本当に苦しくなったらしい、下半身で必死にもがき、噛みつこうとした。裾が乱れて、太腿までむきだしになり、その裸の足で畳を掻きったり叩いたりした。
万三郎は力まかせに押えこみ、片方の膝を女のみぞおちの上へ当てた。
「おれの罪じゃないぜ、おまえがおれをこんな気持にさせたんだ、こんな狂暴な恋の虜にさ、そこでひとつ云ってもらおう、つなはどこにいるんだ」
膝へぐっと力をいれた。
「苦しい」
女は唸った。
「もっと苦しくなるぜ」
「あたしを、どうなさるの」
「云えばいいんだ」
「知りません」
押えこまれているので、女は高い声がだせなかった。自分の腕で塞がれている口から、途切れ途切れに答えるだけだった。
「知らないなんて云ってとおると思うのか、増六へつなと名乗って来るからには、本当のつながいないことを知っていたからさ、そして、もう自分の正体がばれたと思ったから、こんどは色仕掛けときたんじゃないか」
「本当に知りません」
女は喘ぎながら云った。
「肋骨が折れるぜ」
「――あっ、やめて」
三
やめて、という呻きに、万三郎はひょいと力をゆるめた。
その叫びは絶息直前のもののように聞えた。