Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

彼は持っていた刀を置き、すっと女の側へ寄った。

かよは身動きもできないようすだった。陶酔するような情熱の中から、あまりに突然よびさまされたので、驚きのために声も出ないというふうであった。

「ちょっと辛抱してもらうよ」

側へ寄ってゆきながら、兵馬が低い声でいった。女は黙って、大きな眼で見あげていたが、ふいに危険を感じてはね起きた。

兵馬は片手で女の肩を掴み、ひき寄せながら当て身をくれた。じつにみごとな技で、女はうっといったまま気絶した。

「楽あれば苦ありですな」

兵馬は女を横にし、裾を直してやってからこっちへ来た。

「さあ帰りましょう」

「しかし私はこんな恰好だが」

「すべてあとのことですよ」

兵馬は廊下から庭へおりた。ふところから新しい草履を二足出し、万三郎に一足を与えた。途中で買って来たのだろう。

――ゆき届いた男だな。

と万三郎は舌を巻いた。

仄かに白く見える菊畑の前をぬけて、植込の庭を裏のほうへまわり、低い生垣を乗り越えると、寺の土塀に沿った道へ出た。

「どうしてわかったんですか」

万三郎が訊いた。

「半次が知らせてくれましてね」

と兵馬は答えた。

彼は半次少年に案内されて来て、暫くようすをみてから「和幸」