Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

とかよも云った。

これもそのとおりであった。かよもまたつなをよく識っていた。万三郎ひとりが、みれんな醜態を演じたわけで、彼としては(本当のところ)穴にでも入りたいような心持であった。

――結城へいったら、つなに嗤われないようにしろ。

徹之助はそう念を押した。万三郎は一言もなかった。はまぐり町を出て来てからも、かよの告白を思いだしては、運命の皮肉なむすびつきに溜息をつき、つなの決断と勇気を思っては、感嘆の吐息をつくばかりだった。

「茨木屋でございます、どうぞお泊りなさいまし」

こう云いながら、突然、一人の女が万三郎にとびついて来た。

熊谷の宿に入って二丁ばかり来たところであった。もう日は昏れかかって、町の家々には灯がつきはじめていた。

「おいよせ、定宿があるんだ」

万三郎は女を押しのけようとした。女は二十一二で、白粉をまっ白に塗っているし、髪油もつよく匂っていた。普通の宿屋ではないと思ったからであるが、女は逞しい腕で、しっかりと万三郎の手を掴み、

「お定りなことを仰しゃってもだめですよ、あなたのいらっしゃるのを待っていたんですから、さあじらさないで早く」