轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんせい

新生

島崎 藤村

「東京朝日新聞」1918(大正7)年5月1日~10月5日、1919(大正8)年8月5日~10月24日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 334,815 字 · 663 页

青空文庫

三十八

彼が現に負いつつある重荷も、義雄兄夫婦や祖母さんへの礼奉公も、すべては彼女のためと考えるように成った。何よりも先ず彼は節子の身から養ってかからせたいと考えた。彼女の虚弱、彼女の無気力は、雑草の蔓るに任せた庭のように、あまりに関わずにあるところから来ていると考えたからで――止むを得ない家庭の事情から言っても、人を憚りつづけて来たような彼女自身の暗い境遇から言っても。

岸本はまた親掛りでいる節子に働くことを教えようとした。今まで通りにして暮して行くにしても、すくなくも彼女のために自活の面目の立てられる方法を考えてやりたいと思った。それには彼は自分の仕事を手伝わせ、談話を筆記することなぞを覚えさせ、その報酬を名としていくらかでも彼女を助けたいと考えた。そうして節子に働くことを教えるばかりでなく、どうかして生き甲斐のあるような心を起させたいと願った。

この発案は郷里の方から戻って来た義雄兄を悦ばした。嫂をも悦ばした。

「節ちゃんは手が悪いと言っても水仕事が出来ないだけで、筆を持つには差支が無いんでしょう」

と岸本が言うと、嫂と一緒に居た祖母さんも口を添えて、