Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
二人はひと晩だけ泊めてもらうつもりであった。
――主家を浪人したが、侍では仕官の口もないので、なにか商売にでも取付きたいと思って旅に出た。
そういうような身の上話をすると、友吉老人にすっかり同情されてしまった。
――それならこの上の処へ炭船が着くから、炭でも売ってみたらどうか、こんな狭い小屋だけれども雨露だけは凌げる、よかったら此処で寝泊りをして、稼げるかどうかやってみるがいい。
人の好さそうな老人の、心からの親切に、少なからず良心は咎めたが、注文したような条件なので、そのすすめに従ったのであった。
二人で炭を売るのはまずい。又平のほうは病気あがりだという口実で、おもに古木邸のまわりを、気づかれない程度に、見張って歩くことにした。
炭売りを始めて五日。
幸運にも古木家の下男と知りあいになれたが、同時にかよと云う大敵にもめぐりあった。万三郎にとって、かよは大敵の中の大敵である。「和幸」での息苦しい愛の告白、ねっとりと絡みついてきた、みだらで燃えるような熱い肉躰、――それらはいまでも、生ま生ましい感覚として残っていたし、彼にはとうていかなわない印象であった。