Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
さすがの休之助も、このときは黙って、なにか祈るように、暫く頭を垂れていた。
これよりまえ、――
半次とおちづは廊下のほうへぬけ出していた。二人はお互いを発見するとあっと口をあいたまま、すぐには声も出なかった。大きく眼をみはって、お互いに相手を茫然と見まもっていた。だがまもなく、心と心で呼びあうかのように、二人とも同時に立ちあがり、廊下へと出ていった。
「――ちい公」
「――半ちゃん」
廊下の隅までゆくと、そう呼びあいさま二人は抱き合った。
おちづは半次の躯に両手をまわし、半次はおちづの肩を抱いた。抱き合った瞬間、おちづは本能的な羞恥で、つと身を反らした。自分から抱きついたとたんに、自然とそうなった。まったく無意識な動作で、同時に全身が火のように熱くなり、からだがわなわなとふるえた。半次の手も不決断に迷った。
おちづの羞恥は彼には理解できなかったが、身を放そうとした動作が、彼をまごつかせ、肩へまわした手を、そのまま抱いていいものか放すべきかに戸惑いをした。
「よかったわね半ちゃん」
おちづはふるえ声で、半次の腕につかまりながら云った。
「きっと無事に帰って来ると思っていたけれど、でもずいぶん心配していたわよ」