轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんせい

新生

島崎 藤村

「東京朝日新聞」1918(大正7)年5月1日~10月5日、1919(大正8)年8月5日~10月24日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 334,815 字 · 663 页

青空文庫

四十二

「お節ちゃんは今日はお留守居でございますッて」と婆やは岸本を見て言った。

「泉ちゃんも、繁ちゃんも、よく来たね」

岸本はかわるがわる二人の子供を抱きかかえた。泉太は眼を円くして父の周囲に集る人々を見廻していたが、やがて首を垂れて涙ぐんだ。その時になってこの兄の方の子供だけは、父が遠いところへ行くことを朦朧げながらに知ったらしかった。

四十二

田辺の弘は中洲の方から、愛子夫婦は根岸の方から、いずれも停車場まで岸本を見送りに来た。弘のよく肥った立派な体格は、別れを告げて行く岸本に取って、亡くなった恩人を眼のあたりに見るの思いをさせた。「叔父さん、今日はお目出度うございます」と愛子の夫も帽子を手にして挨拶した。この人といい、弘といい、岸本から見るとずっと年の違った人達が皆もう働き盛りの年頃に成っていた。次第に停車場へ集って来る人の中で岸本は白い立派な髯を生した老人を見つけた。その人が妻の父親であった。老人は岸本の外遊を聞いて、見送りかたがた函館の方から出て来てくれた。園子の姉とか妹とかいう人達までこの老人に托してそれぞれ餞別なぞを贈って寄してくれたことを考えても、思わず岸本の頭は下った。