轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんじゅふじん

真珠夫人

菊池 寛

「大阪毎日新聞」、「東京日々新聞」1920(大正9年)6月9日~12月22日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,296 字 · 578 页

青空文庫

」

相手の言葉付は、一眸の裡に変っていた。豹が、一太刀受けて、後退しながら、低くうなっているような無気味な調子だった。

「はゝゝゝ、好意! はゝゝゝ、お前さんは、こんなことを好意だと、云い張るのですか。人の顔に唾を吐きかけて置いて、好意であるもないものだ、はゝゝゝゝゝゝ。」父は、相手を蔑すみ切ったように嘲笑った。

「はゝゝ、閣下も、貧乏をお続けになったために、何時の間にか、僻んでおしまいになったと見える。此の荘田が、誠意誠心申上げていることが、お分りにならない。」

相手も、負けてはいなかった。豹が、その本性を現して、猛然と立ち上ったのだった。

「はゝゝゝゝ、誠意誠心か! 人の娘を、金で買うと云う恥知らずに、誠意などがあって、堪るものか。出直してお出なさい!」父は、低い力強い声で、そう罵った。

「よろしい! 出直して参りましょう。閣下、覚えて置いて下さい! 此の荘田は、好意を持っておりますと同時に、悪意も人並に持っているものでございますから。お言葉に従って、いずれ出直して参りますから。」そう云い捨てると、相手は荒々しく扉を排して、玄関へ出て行った。

瑠璃子が、急いで応接室に駈け込んだとき、父はそこに、昂然と立っていた。