Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lisez 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 244 473 caractères · 487 écrans

Aozora Bunko

変事

一

変事

一

九月中旬のある晴れた日の午後。

芝新網にある紀州家の浜屋敷の門前へ、一人の旅装の若者が来て立った。長い旅をつづけて来たものとみえ、肩へかけた旅嚢も、着ている物も、すべて汗じみ、埃まみれであるが、笠をぬいだところを見ると、いま洗面したばかりのように、さっぱりと冴えた顔つきをしていた。

眼鼻だちはきりっとして、ちょっと強情らしく、きかない性質のようであるが、やや尻下りの眼や、口尻の切れあがった唇のあたりに、人をひきつける一種の魅力があった。背丈は五寸たっぷり、中肉でひき緊った、敏捷そうないい躯であった。

彼は笠をぬいで、門番小屋のほうへ近づいていった。

そのとき、向うの町角から、一人の少年がこちらを覗いた。どうやら彼のあとを跟けて来たものらしい。若侍が番小屋に近づくと、さりげないそぶりでこっちへ出て来た。年は九つか十であろう。古びためくら縞の、綻びだらけの袷に三尺をしめ、摺り切れたわら草履をはいている。色が黒く、眼がまるく、いかにも「悪童」といった感じであった。

少年はゆっくりと、門の前を通りぬけた。それは、若侍と門番の話を聞くためのようであった。