Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lisez 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 244 473 caractères · 487 écrans

Aozora Bunko

九

そんな質問をされようとは思いもよらなかったのである。彼はつなの手を取って叫んだ。

「そんな話はあとのことです、さあ早く逃げましょう、ひとりで歩けますか」

「ええ大丈夫です」

階下へおりてみると、老女は柱に凭れたまま、じっとこちらを見ていた。つなはなにか云おうとしたが、万三郎は押しやるようにして、手早く彼女に蓑と笠を衣せた。

「このままでゆきます」

彼が履物を捜そうとすると、つなはもう土間へおりていた。

「足袋をはいておりますから、これで充分でございます」

「では辛抱して下さい」

万三郎は観音開きをあけて外をうかがった。戸外にはやはり吹雪が舞っているばかりで、変ったようすはなかった。

二人は土蔵を出た。

万三郎は観音開きを閉め、吹雪からつなを庇うように、先に立って走りだした。すると約三四十歩ほど走ったとき、なにかに躓いて、危なく倒れそうになった。

そこは六番倉の前であった。

そうして、彼が躓いたのは、鳴子の綱であったらしい。とたんに前後左右で、からんからんとけたたましく非常に高い金属性の音が鳴り響いた。

「鳴子です、――」

つなが云った。万三郎は黙ったまま、彼女の手を取って走った。