Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lisez 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 244 473 caractères · 487 écrans
五
「そういうものでしょうな」
相手は尤もらしく頷いて、
「酒井さまはいま御詰衆でしたかな、御詰並でしたかな」
と軽く訊いた。万三郎は思わずうっといった。駿河守が数年まえまで御詰並にいたことは知っているが、それからどんな役になったかは知らないのである。うっかりすると尻尾を捉まれるぞと思ったが、さりげなく笠の紐など直しながら、おちついて答えた。
「いまは溜間詰の上席です」
「ほう御詰衆ですか、それは違やあしませんか」
相手は眼をぎょろつかせた。
「酒井駿河守さまは菊の間で御詰並だと聞いていますがね」
「ばかなことを、――」
万三郎は笑った。
「自分の仕える主人の役名を知らないで、侍が勤まると思いますか、つい先月お役替えになったんですよ」
相手は鼻を鳴らした。それから陳述に嘘がないかどうか念を押したうえ、いってもよろしいと会釈をし、茶店の中へ戻っていった。
――これはいそぐ必要がある。
万三郎は歩きだしながらそう思った。こんなに丹念に調べるようでは、慥かに敵の手がまわったにちがいない。
――午飯はぬきだ。
彼は空腹のまま歩き続けた。
五
そのあたりは関東平野の北端に近く、正面に日光連山が迫っているし、右に筑波の山がそばだってみえるが、そのほかは一望の平野で、なだらかな丘の起伏や、草原や耕地のあいだに、防風林に囲まれた農家の集落