Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lisez 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 244 473 caractères · 487 écrans

Aozora Bunko

二

二

躯を拭き、着物を着ると、万三郎は木戸をぬけて中庭へ入っていった。

かよの住居はかなり大きい。大膳亮が来るようなときは、おそらく老臣の宿舎にでも使うのであろう。十帖に八帖二た間と、小部屋が四つばかりあり、かよのほかに青山家の老女と、二人の下婢がいた。

老女は藤井という名で、もう五十六七になり、かよの監視役であるが、五六日もするとすっかりかよが好きになって(つまりまるめられて)しまい、いまではあまやかして育てた娘のように大事にしていた。

万三郎の住居はべつであった。

それは中庭の南がわにある侍長屋の一棟で、隣りには和田東麿という、勝手係りの侍とその老妻が住んでいた。東麿などと、名前だけは公卿のようにみやびやかであるが、当人は年も六十三になり、白髪頭で腰が曲りかけている。自分でもその名に気がさすらしく、

――どうもこの名前には困ります、昔からずいぶん恥ずかしいおもいをして来ました。

と万三郎にも云った。おそらく初対面の人には誰にでも云うことらしい。

――父が国学に凝って、こんな名を付けたのだそうです、はるまろと読んでくれる人はごく稀で、たいていはあずままろ、なかにはとうまるなどといやがらせのように読む者もありました。