Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lisez 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 244 473 caractères · 487 écrans

Aozora Bunko

四

「まず情勢の概況をよく頭に入れておいてもらおう」

徹之助が云った。

加波山で渡辺蔵人が語っていたように、情勢はたいそう味方に好転していた。すなわち、松平伊豆守が(ひそかに)各方面に運動し、老中筆頭の松平定信、若年寄の安藤対馬守、溜間詰の大久保加賀守、板倉左近らを説得、さらに水戸宰相治保からも援助の確約を得た。――だが、幾たびも記したとおり、問題が非常に重大であるから、どんなことがあっても表沙汰にはできない。飽くまでも隠密のうちに処理しなければならないので、以上の人々の助力も、結局は捜査の便宜を計る、という程度のことしか望めないのであった。

では敵のほうはどうか。――

和歌山在城の左近将監頼興が、いまのところでは頭首らしい、ということがわかった。

頼興は紀伊家七代の宗将の四男で、現藩主治宝の叔父に当っている。そのとき三十四歳になっていたが、七年まえからずっと和歌山に帰ったままで、褒貶いろいろの評があった。たいそう豪放濶達な人らしく、江戸でなにか乱暴な事をしたため、国許へ蟄居させられたのだ、などという噂もあった。

同情する向では、彼が紀伊家を継ぐつもりだったといわれる。