Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lisez 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 244 473 caractères · 487 écrans

Aozora Bunko

二

口の重い徹之助の話を要約すると、彼は身を以て城中を脱出したのであった。

密報を受けた彼は、そのまま廊下へとびだして台所口へいった。しかしそこにはもう手が廻っているらしかった。彼はいちど戻って、風呂舎口から作事方の御小屋の脇をぬけ、三重櫓の蔭に午過ぎまで隠れていた。それから井伊侯の下城するとき、供の中にまぎれ込んで、ようやく城外へのがれ出たのであった。

「そのまま西丸下の上屋敷へゆき、夜になるのを待って、この下屋敷へ隠れることになったのだ」

「では麹町のみなさんは」

麹町六丁目の花田家には、妻の幾代と、五歳になる松之助がいた。むろん徹之助は動くことができない、人を遣ってようすを探ったのであるが、同じ日の夜になって、大目付から役人が出張して来、母子を拘引していったということであった。

「それで私はすぐに休之助へ使いをやったのだ」

と徹之助が云った。

二

「妻子まで捕えるようでは、休之助も危ないと思ったからだ」

「それがまにあったのですね」

「藤兵衛殿といとさんには相済まなかった」

徹之助は眼を伏せた。

「かれらが火を放つなどとは夢にも思わなかったし、休之助も家族ぜんぶで逃げるわけにはいかなかったろう、つなの助かったのは偶然だったが、それでも不幸中の幸いといわなければならない、まことに無残なことをするやつらだ」