Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lisez 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 244 473 caractères · 487 écrans
九
とたんに、どかんと来た。
九
「やった、――」
地面に伏したまま、万三郎はそう喚き、両手で頭を抱えた。
そのときは兄たちのことも、斬合いがどうなっているかも考えなかった。
――危なかった。
窓へあがるのがもうちょっと遅かったら、爆発のために吹飛ばされたであろう。火薬と早く気づいたのも幸運であった。
――まったくの命拾いだ。
頭を抱えたままそう思った。
爆発は初め小さく来た。どかんという音がし、閃光がはしった。ついでまたどかんと来、さらに二度、大きく続けさまに轟音が炸裂し、谷ぜんたいが崩壊するかと思うほど、すさまじく大地が震動した。
建物の燃える、ばりばりという音が聞えて来た。
「――終ったな」
と呟くとたん、初めて休之助や斧田のことを思いだし、はね起きてそっちへ走った。
「休さーん、無事ですか」
走りながら叫んだ。
通路は吹き飛ばされた建物の、柱や板片などが散乱し、また、そこらいちめんに人が倒れて、呻いたり泣き声をあげたり、苦しそうに地面を転げまわったりしていた。
燃えあがる焔が、爆発した硝煙に映って、あたりはさながら赤い濃霧に包まれたようである。どっちを見てもまっ赤で、そして息もつけないほどの煙だった。