Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lisez 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 244 473 caractères · 487 écrans

Aozora Bunko

十

そうでなくとも凄気のある相貌が、いまはまるで幽鬼のように見え、万三郎はぞっと背中から寒くなった。

「みごとだ、よくやった、褒めてやるぞ」

半兵衛は唇を片方へ曲げた。

「だが、こんどはこっちの番だ」

十

こっちの番だと云いながら、半兵衛は右手に持った寸延びの刀を、ゆらりと振った。

それは例の無反の刀であった。

「まあ待って下さい」

万三郎は片手をあげた。

「それはもう無意味ですよ、もうそんなことをする必要はないじゃありませんか」

「なにが無意味だ」

「ごらんのとおりこの貯蔵所は全滅したし、それに、そうです、渡辺蔵人という人間も私たちの手に」

「やかましい」

半兵衛は絶叫した。

「そっちに意味がなくともこっちにはあるんだ、此処が全滅したことは、このおれ自身が破滅したことだ、おれはもう生きている要はない、この貯蔵所といっしょに亡びるつもりだ、が、――きさまを生かしたままでは死なんぞ」

「ちょっと云わせて下さい石黒先生、まあひと言だけ聞いて下さい」

「よせ、おれは石黒半兵衛ではない、その名を口にするな」

「悪ければ云いません、しかし」

と万三郎は少しずつ脇のほうへ身を除けながら、熱心な口ぶりでなだめにかかった。