Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lisez 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 244 473 caractères · 487 écrans

Aozora Bunko

四

「そのときは怒ったわよ、そして、このお乳のところを拳骨で突かれて気を失っちゃったわ」

おちづは押えている左の乳房の脇を、伸びあがって鏡に写してみた。

「ほら姐さん、そのときの痕がまだここに痣になって残っててよ」

四

女衒の手から手へ渡って、正月下旬に、江戸へ来た。

藤沢の木賃宿を出て以来、どの町をどう移されたのかわからなかった。

いつも家の中に檻禁されたままだし、売られてゆくときには、身動きのできないように縛られ、猿轡を噛まされた。

そうして五人めに、鬼の六兵衛と異名のある男の手に渡り、そこで松吉に救われたのであった。

松吉の旦那という人は侍で、本名はわからないが「岡さま」と呼ばれ、五十四五になる温厚な人物だった。去年の十月、松吉に家を持たせて呉れ、十日に一度ぐらいずつ逢いにくるが、もちろん料理茶屋へ呼ぶだけで、家のほうへ来たり、泊ったりするようなことはなかった。

――抱えでも置いたらどうだ。

たびたびそう云われ、松吉もその気になったとき、おちづの話を聞いた。

――鬼六の処でまた娘の泣き声がする、例によってあこぎなまねをしているんだろう。

そんな噂であった。