Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lisez 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 244 473 caractères · 487 écrans

Aozora Bunko

五

「向うの壮大な建物に比べて、こいつはまたおそろしく古ぼけた、うす汚ない造作じゃないか、こっちまで金がまわらなかったのかな」

五

まもなく若い女中が二人で、茶と菓子を運んで来、行燈に火をいれて去った。

「ただいますぐおみえになりますから」

女中の一人がそう云ったが、それっきり小半刻も待たされた。

口で小半刻というけれども、独りで一時間も、ぽつねんと待つのは楽ではない。囲んでいる樹立の彼方には、母屋の二階の灯が見え、すでに絃歌の声も聞えはじめた。

「どうしたんだいったい、冗談じゃない腹が減ってきたぞ」

菓子もきれいに喰べ、茶も飲んでしまった。あさましいはなしではあるが、いちど空腹感に気づくと、それを待ってでもいたように腹が鳴りだした。

――ぐっぐっぐっ、くう。

などというのである。

「おい、よさないか、みっともない」

彼は自分の腹部に云った。

「相手が来て、聞かれたらどうする、おれたち一統の恥辱じゃないか、少しは辛抱しろ」

――くうくうくう、ぐるるる、くう。

「こいつは呆れたもんだ、こ、――」

万三郎はふっと眼をあげた。

樹立の中をこっちへ、提灯の光りが近づいて来た。