Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lisez 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 244 473 caractères · 487 écrans
三
こういう手合は、相手が強いとわかると猫のようになるものである。半兵衛は二人をぐっと睨んでおいて、かよのほうへ振向いた。
「多分にはいりません、駄賃に少しいろを付けて遣って下さい」
「ふしぎな処でお会いするのね」
かよは云われたものを紙に包み、それを八兵衛の手に渡しながら半兵衛を見た。
――こっちのほうが難物だ。
と思ったのである。半兵衛にもそれがわかったのだろう、ちょっと眼を伏せて、ぶきような、云い訳をするような調子で云った。
「たぶん貴女もそうだろうが、私も花田さんのあとを追って来たのだ」
「――なんのためにですの」
「それも貴女と同じだと思う」
「――わかりませんね」
「私のほうが先に来たんだ」
と半兵衛は眼をあげた。
「まる一日早かったので、貴女の知らないことを知っている、というのは、昨日の朝、猿橋の宿でちょっとした騒ぎがあった、例の紀の字の人数と、花田さんたちとが斬合いをやって」
「万三郎さまが、あの方が」
「いや大丈夫、――」
かよの驚く顔を見て、半兵衛は胸を刺されでもしたように眉をしかめた。
彼はかよを恋していた。これまでにもわかっているとおり、中年の灼けるような、殆んど妄執にちかい恋であった。