Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lisez 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 244 473 caractères · 487 écrans
二
休之助は手綱をゆるめ、両膝を緊めて、腰を浮かしながら馬をあおった。
馬は危うく立ち直った。
しかし坂が左に曲ると、傾斜が急になり、同時に道は岩がなくなって、霜溶けのぬかるみになった。
――此処を乗りきれば。
休之助は膝と手綱とで、けんめいに馬をあおった。だが馬はともすると肢を滑らせた、駆けて登るには無理な傾斜である。
突然、馬は前肢を折った。
「しまった、――」
叫びながら、馬の首を越えて、休之助は転げ落ちた。
二
落馬したが幸いどこも痛めなかった。ただ、ぬかるみで泥まみれになり、はね起きようとして三度ばかり滑った。
「落ちたぞ、――」
下のほうで喚くのが聞えた。
「あそこだ、そっちから廻れ」
声は近かった。
「馬はだめだ、みんなおりろ」
休之助はもう走せ登っていた。
その坂は急勾配に右へ曲るが、そこからまっすぐに下る道もある。彼は右へ曲った。
うしろで馬の嘶く声がした。休之助の乗って来た問屋の馬で、彼のあとを追って来るらしい。滑っては立ち、悲しげに嘶く声が、手に取るように聞えた。
――飼い主でもないのに。
彼はちょっと心をうたれた。
しかし跟いて来られては困る。