Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lisez 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 244 473 caractères · 487 écrans

Aozora Bunko

九

「もうたくさんです、それを云われるのが、なにより辛い、――どうかもう、もう、そのことは云わないで下さい」

半兵衛は眼をすぼめた。万三郎の顔がよく見えないらしい、言葉つきもやや舌がもつれるようであった。

「私はこれで満足です」

と半兵衛は続けた。

「人間には立直れるばあいと、どうしても立直ることの、できないばあいとある、私はよく考えたうえで、この途をとりました、師範として立直ることはできなかったが、――剣士としては、無神流の技を存分にふるい、存分に闘って倒れたのです。私はこれで、満足です、本当のところ、身も心もさっぱりと、洗い清めたような心持ですよ」

万三郎はうっと嗚咽した。

「泣いてくれるんですか、花田さん、――ああ、それは勿体ない、私のような人間のために、泣いてくれる人がある、などとは、想像もできなかった、――これで思い残すことは、一つもなしです、どうかお仕合せに」

「先生、泣いているのは私だけではない、もう一人いますよ」

万三郎はかよの手を取って、半兵衛の片方の手を握らせた。

「――そうか、かよさんか」

半兵衛は顔を歪めた。

「貴女には、詫びを云わなければならない、が、もうその必要もないでしょう、さあ」