Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lisez 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 244 473 caractères · 487 écrans
九
「待って下さい石黒先生」
「御短慮はいけません、相手が悪うございます、どうか気を鎮めて下さい」
「先生お願いです」
半兵衛はすぐに鎮まった。
「よし、放せ、やめる」
と彼は云った。そしてもう一と棟の番士小屋のほうを睨みながら、呻くような声で云うのが聞えた。
「あの渡辺蔵人の狒々め」
九
半兵衛の声は呻くようであり、その言葉つきには痛烈な憎しみがこもっていた。
――渡辺蔵人。
こちらに身をひそめている万三郎の耳に、その名がはっきりと聞えた。
――なに者だろう。
もちろん彼は知る筈がない。
だが休之助なら知っている。いつか花田の兄に向って休之助はこう話したことがあった。紀州家お浜屋敷の支配で、のちに小田原河岸の屋敷へ移り、かよを後添に欲しがっていた男である。朱雀事件のなかでも相当な役割を勤めているに違いない。
万三郎はそのときいなかったから、思い当るわけもないが、半兵衛の口ぶりで、
――昨夜の威張った武士だな。
と直感した。
「あいつはおれを、雇い人足かなんぞのように、鼻であしらう」
半兵衛は吐き出すように続けて云った。
「しかも自分のざまはなんだ」
二人に左右から支えられて、出て来た小屋のほうへ戻りながら、半兵衛はかなり高い声でどなった。