Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lisez 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 244 473 caractères · 487 écrans
六
休之助は呻きそうになった。
徹之助は松平伊豆守から聞いていたが、弟には話しそこなったので、休之助が紀州家と古木との関係を聞くのは、いまが初めてであった。
――古木甚兵衛、そいつだ。
江戸から送った荷駄は、古木家か、古木家に縁のある場所へ隠されたに違いない。先に来ている三人が、その事をつきとめているかどうかわからないけれども、偶然の機会でこれを知ることが出来たのは、幸運である。
――目標は古木の屋敷だ。
休之助がそう思ったとき、引戸をあけて孫娘のお梅が戻って来た。
「火はいいだよ、お祖父さん」
「そうか、寒かったろう」
「寒いことも寒いが、また山霊さんが哭いているだよ」
お梅はこう云って、聞いてみろというふうな身振りをした。老人は耳を澄まして、それから頷いた。
「うん、哭いてるだな、――」
休之助もつられて、じっと耳を傾けた。
炉で火のはぜる音のほか、夜半の山は死のような沈黙に包まれていた。なんの物音もせず、まして声などは聞えなかった。
「なにが哭いているのだ」
「山霊さまですよ」
老人が低い声で云った。
「――それ、よく聞いてごらんなせえ、あれがそうでさあ」