Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lisez 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 244 473 caractères · 487 écrans

Aozora Bunko

――斧田又平。

それは、一日まえに結城へ立っていった、あの斧田又平であった。

着物も袴もずたずただし、髪は解けているし、顔は泥と血にまみれていた。両手をうしろにまわして縛られ、どこか挫きでもしたのか、少しびっこをひいていた。

万三郎は道の左右を見た。

強くなった北風で、つぎつぎに埃が巻き立つから、よく見とおしは利かないが、遠くに馬子と二三の旅客らしい人影があるほか、すぐ邪魔にはいるような者は見えなかった。

――よし。

彼は頷いて、静かに本道へ出ていった。道の右は用水堀、左は少し水の溜まった苅田である。万三郎は一団のうしろから、少し早足で追いぬいてゆき、前へまわったとたん、いきなり振向いて刀を抜いた。

「おーい、五人はそっちから掛れ」

刀を抜きながら、列の後尾のほうへ叫びかけた。もちろん、うしろにも人数がいるぞ、と思わせるためで、叫ぶより早く列の中へ斬り込んだ。

かれらはまったく不意をつかれた。そんな事が起ころうとは、夢にも考えてはいなかったらしい。とつぜん前後から挾撃されたと思うと、たちまち混乱して崩れたった。

「散るな、散るな」

指揮者とみえる男が絶叫した。