Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lisez 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 244 473 caractères · 487 écrans

Aozora Bunko

とつなは叫んだ。

「お独りで逃げて下さい早く」

「なにをばかな」

万三郎はつなを抱き起こそうとした。そのとき、裏門のほうから十人ばかりの者が、松明を振り振り、こっちへ走せつけて来た。

同時に、土塀を越して(万三郎の竹梯子を使ったらしい)五人ばかりの者がとびおりて来、退路を塞ぐようにうしろへ廻った。

「みれんでございます、万三郎さま」

つなは殆んど絶叫した。

「逃げて下さい、逃げて、つなはあなたを恨みます」

だがもう遅かった。二人は前後から取巻かれていた。

裏門のほうから来た人数の中に、石黒半兵衛がいるのを万三郎は見た。こちらは無腰であった。刀を持っていたにしても半兵衛は大敵である。

――これはいかんぞ。

雪まみれになったまま、万三郎は心のなかで呻いた。素手でどうするか、――彼はとっさに肚をきめると、突然、土塀とは反対側にある田のほうへ走り出した。本当に田へとび込むつもりではなく、敵を誘い寄せるためであった。

「逃がすな」

うしろにいた五人が叫んだ。

二人はつなのほうへ駆けつけ、三人が万三郎を追った。とたんに、万三郎は踵を返し、追って来た三人に向って、逆にとびかかった。