Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lisez 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 244 473 caractères · 487 écrans
おちづはふと身ぶるいをした。
寒さのためではない、半次に不吉な事が起こったような予感がしたのである。
「――半ちゃん」
彼女はふらふらと浜松町のほうへ歩きだした。
そのとき、右側の居酒屋の雨戸があいて、二人の酔漢が出て来た。おちづは気がつかずに通り過ぎたが、二人は彼女を見て、互いにちょっと頷きあい、ひょろひょろとあとから追って来た。
「おい、待ちな、ちい公」
おちづは振返った。
「誰だい、――」
「誰だいはねえだろう、おれたちだよ」
「なあんだ」
おちづは鼻を鳴らした。
「お相撲くずれの三島に屁十じゃないか、何か用かい」
「おっそろしく威勢がいいな」
屁十が云った。
この二人のならず者は、去年の冬の初めごろ、新銭座の「ぶっかけ」の前で、権あにいならびに「禿」と信州の五人で万三郎にいんねんをつけた。そのとき格闘になり、「禿」のやつがまごついて、丸たん棒で万三郎を殴る代りに、三島の頭をどやしつけ、おかげで三島は五十日ばかり眼が見えなくなった。――いまでは三島の眼は治ったが、それ以来あたまが少しおかしくなり、舌がよくまわらず、酔うと手のつけられない人間になっていた。