Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lisez 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 244 473 caractères · 487 écrans
――これは変だ。
万三郎はそう直感した。
「小父さんのばか」
少年が悲鳴のように叫んだ。
「捉まっちゃうじゃないか、ばか、ばか」
万三郎は走りだした。少年は、こっちだよと叫びながら、先になってつぶてのように走ってゆく。万三郎も片手で刀を押え、片手では旅嚢の紐を押えながら、少年のあとを追ってけんめいに駆けていった。
「――待て、待て」
うしろで声がした。
――これはどういうことだ。
走りながら万三郎は思った。
――まるで狐に化かされたようじゃないか。
舟入り堀に沿った道を、浜松町の通りへ出て曲るとき振返って見ると、紀州家の侍二人は、十二三間あとから追って来る。
「お待ちなさい」
なぜ逃げるんだ、と叫んでいる声も聞えた。二丁目のほうへ曲るとすぐに、少年が走りながら振返った。
「小父さん築地を知ってるかい」
「――――」
「築地の飯田町さ」
「ああ知ってるよ」
「それじゃあね、そこに増六っていう船宿があるからね、あとを跟けられないようにそこへいってておくれよ」
「増六っていう船宿だな」
「そこで待ってればね、そこでだよ、そうすればあとからお嬢さんがゆくからって」
「おいおい」