Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lisez 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 244 473 caractères · 487 écrans
休之助は口をつぐんだ。じっと死躰を見まもり、それから弟へ眼を戻した。
「升屋のときの人か」
「――そうです」
「なに者なんだ」
「――石黒先生でした」
休之助はあっという眼つきをした。すぐには信じられなかったようである。観音谷で、万三郎が半兵衛を斬らずに逃がしたとき、ひどく乱暴に叱りつけた。その半兵衛が二度まで自分たちに助勢をし、ついに此処で斬死にをした。しかも石黒半兵衛であることを知らせず、覆面の剣士として死んだのである。――そのことが、気の強いだけよけいに、休之助をまいらせたようにみえた。
「――臨終にまにあったか」
休之助が低い声で聞いた。
「満足して死ぬ、と云われました」
と万三郎が答えた。休之助はその言葉を口の中で(味わうように)呟いてから、ふと弟を見て云った。
「きさま、罪な人間だぞ」
万三郎は眼を伏せた。兄の云おうとする意味がよくわかったからであるが、――そのとき休之助は殆んどとびあがりそうになって、
「誰だ、――」
と叫んだ。
石塁の蔭から、すっとかよが現われた。
万三郎は眼をみはった。休之助はうっといい、弟のほうへ振返った。かよは静かにおじぎをしながら云った。