Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lisez 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 244 473 caractères · 487 écrans
「もちろん約束はしていません、しかし私の意志は休さん、いや甲野の兄からもうちゃんと伝えてあるんです、あの人もそれを知っているんですよ」
「それでどうして婚約をなさいませんの」
かよはひそかに帯を解いていた。万三郎は単純だから、話にひきこまれたのと、かよが恥ずかしがっているものと思いこんでいるのとで、それにはまったく気づかなかった。
「どうしてって、それはつまり」
彼は大いにせきこんだ。
「つまりですね、いくらなんだってこんな騒ぎのさいちゅうに、婚約だなんて、そんなことが云いだせるわけがないからですよ」
「あら、なぜでしょう」
四
「なぜいけませんの」
とかよは続けた。
「まさか合戦をしていたわけではなし、あんな山の中の小屋に、長いあいだいっしょにいて、本当に好き合っている同志なら、婚約はおろかもう愛し合っていていい筈ですわ」
「ばかな、冗談じゃない」
「かよならそうしますわ」
万三郎は本当に赤くなった。
「断わっておきますがね」
と彼は吃りながら云った。
「そういう話は私も聞きたくないし、貴女にとっても褒めたことじゃない、また、私がつなさんよりも本当は貴女を好いているんだなんということもよして下さい」