Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lisez 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 244 473 caractères · 487 écrans

Aozora Bunko

ているんだぜ」

かよはぎょっとした。

ふしぎなことであるが、躯も手入らず、――と云われたことが、自分のもっとも弱いところを指摘されたように感じたのである。かよは狼狽した、ごく短い瞬間ではあったが、蝮の八兵衛という相手に対して、自分がまったく無力な存在のように思われ、顔色の変るのがわかった。

しかしそのとき、かれらの背後にある藪の蔭で、声だかに笑いだす者があった。

「――誰だ」

蝮の八兵衛はとび上った。若い助という人足もとびあがり、息杖を取って身構えた。

高笑いはなお続いた。

かよもそっちへ振返った。その笑い声には聞き覚えがある、慥かに、はっきりと覚えのある笑い声であった。

「――野郎、誰だ」八兵衛が赤くなって喚いた。

藪の端をまわって、深編笠の侍がこっちへ出て来た。笠はかぶったまま、大股に八兵衛の前へやって来て云った。

「きさまなかなかいい眼を持っているな、さっきから聞いていたが、この婦人を見抜いた眼力も慥かなものだ」

「な、なにょうぬかしやがる」

「駕籠かき人足より観相占易でもしたらどうだ、そのほうが汗もかかないし、人に敬われて儲かるぞ」

助は歯を剥いた。