Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lisez 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 244 473 caractères · 487 écrans
と万三郎は答えた。
「なんのぶっかけですか」
「わからねえな、ぶっかけといえばぶっかけだよ、この家はぶっかけを食わせるんだろう」
ほかに客が五六人いた。そのなかでぷっと失笑す者があった。小女もにやにやした。
「ぶっかけにも家はいろいろあるんです」
と小女が云った。
「鰯汁にけんちん鳥の叩きに深川、今日は蛤に葱まがあります、なにをあげますか」
万三郎はうっと云った。
そんなに種類があろうとは知らなかったし、小女の云うことが立板へ水でまるっきりわからない。おまけに相客が聞いているらしいので、うっかりするとまた笑われそうである。
「そんなことはわかってるよ」
万三郎はしらを切った。
「ええと、そんならその、あれだ、けんちん鳥の叩きというやつを貰おう」
やっぱり失敗だった。こんどは五六人いる相客のぜんぶが、いちどきにげらげら笑いだした。小女も前掛で口を押えて笑った。しようがあろうか、万三郎も笑ってみせた。するとみんなはもっと大声に笑いだし、なかの一人は自分の丼をひっくり返してしまった。
「けんちんと鳥の叩きとはべつなんです」
ようやくのことに小女が涙を拭きながら云った。