Japanische Klassiker mit Furigana
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チベットりょこうき
チベット旅行記
河口 慧海
Lesen Sie チベット旅行記 (チベットりょこうき) von 河口 慧海 (かわぐちえかい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 531.520 Zeichen · 1042 Bildschirme
書物位はどうでもいいというたところが一番肝腎な事はチベットの獄裡に在る友人を救う事であるが、それが救えないでは詰らぬじゃないか。どうでもよい、一時逃れをいって置きなさるがよかろう」という。
「いやその事については随分私も心を傷めていろいろ考えて見たが、この際偽りをいうことは到底出来ない。真実をいうてそれで願いが適わなければ、これからシナの方へでも行って方法を運らす外はない」と答えますと「そんな手続きをして居る間にチベットの下獄者が処刑に遇うかも知れない。それは随分暇の掛る事でもあり、それにあなたはこの際偽りは言えぬと強情を張るけれども、あなたがこれまでの経歴を聞いて見ると随分偽りをいって居るじゃないか。大体チベットへござる時分にもシナ人だと偽って行ったではないか。必要の場合には偽りをいわにゃあならぬ。これも人を救う方便じゃから明日国王に対し偽りをいうてはどうか」という道理らしい話であった。
「私はどうも一旦決心した事は止すことは出来ない。で乱世の時には人に災難を及ばさぬよう自分もまた災難を受けぬよう、自他を守る上から権謀術数も必要であるけれども、今日は乱世でもなければ殊にネパールは道理の分って居る文明的の国であるから、偽りをいうて一時を弥縫するということはむろん出来ない。