Japanische Klassiker mit Furigana
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チベットりょこうき
チベット旅行記
河口 慧海
Lesen Sie チベット旅行記 (チベットりょこうき) von 河口 慧海 (かわぐちえかい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 531.520 Zeichen · 1042 Bildschirme
第五十九回 正月の嘉例
元日の礼式
それはもとより驚くべき事ではない。チベット政府においては四名の暦官を置いてある。その四名の者が白い石や黒い石や棒切や貝殻でもって勘定して毎歳暦をこしらえ出すのですが、大抵四名とも少しずつは違って居るそうです。そのうちのよいのを二つ取って、例の神下しに尋ねてどっちがいいかということを聞いて、その一つを取るんです。数学的観念のない半開人のすることは実に憫れなもので、噴き出すような馬鹿な仕方であるです。で、正月元日の式は大抵政府の暦によってやるんですが、それとても本当の元日はどうだか分りはしない。大抵シナの太陰暦の元日とチベットの元日とは同日になることはごく稀です。一日あるいは二日後先になることもありまた三日位違うこともある実に奇態な暦であるです。
第五十九回 正月の嘉例
元日の礼式 は朝起きますとすぐに麦焦しを山のように盛り立てて、その上へ五色の絹――ハンカチーフを集めたような物を旗のような具合にし、また麦焦しの粉の中にはバタと乾酪がはいって上に乾葡萄、乾桃、信濃柿のような小さな黒い乾柿が蒔いてある。で、其果をまず第一に主人からしてちょいと右の手でつまんで何か唱え言を言いながら空中へ三度ばかりばらばらと撒き、そうして其果の幾分を自分の掌裡に取って喰うのです。