Japanische Klassiker mit Furigana
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チベットりょこうき
チベット旅行記
河口 慧海
Lesen Sie チベット旅行記 (チベットりょこうき) von 河口 慧海 (かわぐちえかい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 531.520 Zeichen · 1042 Bildschirme
乗馬者が見えた
けれども自分の精神は確実でこの雪の中で死んで行くかと思われるような精神は少しもない。ごく確かですからこの身体の苦痛さえどうにか免れる工夫が立ちさえすれば充分進める筈であると思ったけれども仕方がない。するとまた奇態に遙か向うに
乗馬者が見えた です。それから痛い眼をよく引き開けて私の見違いではあるまいかと思ってよく見ますと全く一人の男子が馬に乗ってやって来るです。私はじきに立ち上ってその人を手真似で招いた。声を立てようとしたところがちっとも声が出ない。何だか喉が縛り付けられたような喉の穴が細くでもなって居るような具合に声が出ない。余程無理をして辛うじて二声ばかり声を発し、手をもって仕方をして呼び止めますと向うでもそれを認めたと見えてこちらへ馬を走らして来た。その時には嬉しかったです。
すぐに私の傍へ来ましてこの雪の中でどうしたのかといいますから、いや実は泥棒に遇ってすっかり何もかも失くなってしまった。その上に残って居った少しの荷物も途中で失ってしまい三、四日何も喰わずに居るのだが何か食物を下さるまいかとやっとの思いで声を出すと、若い男でございましたが感心な心掛けで暫く首を傾け、どうも私は今麦焦しも何も持って居ないけれども一つこういう物があるからといって懐から出してくれたのが、牛乳を煮て冷して置きますと薄く上