Japanische Klassiker mit Furigana
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チベットりょこうき
チベット旅行記
河口 慧海
Lesen Sie チベット旅行記 (チベットりょこうき) von 河口 慧海 (かわぐちえかい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 531.520 Zeichen · 1042 Bildschirme
出発の間際の変事
出発の間際の変事 するとその帰って来た夜です。これまで全く頼みにして居ったカルカッタ行きのシナ人について、全く変ったところの一事件が起って来た。その変事はどういう事から起って来たかというのに、かねて私と懇意な駐蔵大臣の書記官馬詮が、今度カルカッタに行くシナ人とは至って昵懇の間である。そこでその書記官が自分の友達のためを思って私の事を内々話し込んだです。
彼は決してシナ人ではない。確かに日本人らしく見える。西洋人でない事は極って居るけれどもどういう魂胆があって来て居るか訳が分りゃあしない。もっとも仏法の方に掛けてはなかなか遣手であるけれども、今の時に当って仏法だけの見込みでこの国に来るということは余程不思議な事である。事によると英国政府の依頼を受けてその国の探偵に来て居るかも知れない。そういう人と一緒に行くと後にお前の首がありゃしないと告げたものですから、そのシナ人は大いに驚いたです。書記官はラサのシナ人中では最も物識、最も老練家として尊敬を受けて居る人ですが、そういう事をいわれたから一遍に信用してしまった。それでこれまで頼みにして居った事が全く水の泡になってしまったという天和堂主人の秘密談である。