Japanische Klassiker mit Furigana
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チベットりょこうき
チベット旅行記
河口 慧海
Lesen Sie チベット旅行記 (チベットりょこうき) von 河口 慧海 (かわぐちえかい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 531.520 Zeichen · 1042 Bildschirme
雪山の嶮坂を攀じ登る
雪の少しく積ってある岩の間に小さな草の生えて居る所があります。餓えたる時は食を択ばずではない。渇したる時は水を択ばずというような訳でその草を引き抜いて根を噛んでみたところがごく酸っぱいです。それからその根を噛みつつ蕎麦の焼パンを喰いました。
雪山の嶮坂を攀じ登る 暫く休んで北に登ること一里にして西に折れ一方に千仞の谷間を望みつつ崖道の恐ろしい牟伽羅坂という坂を登って参りましたが、その坂路の嶮峻なることはなんとも形容のしようがございません。で、その坂の左側には高雪峰が剣を列べたごとくに聳えて居るです。それからその山の頂きから直下してほとんど道のない岩と岩との間を猿が樹渡りするような具合に辿って行くのですが、さすがに山に慣れて居る荷持は重い荷を背負いながらヒョイヒョイとうまく飛んで行くばかりでなく、私にはよう飛ばぬものですからこうしてああしてといろいろ指図をしてくれた。また私自分の持って居る杖を岩と岩との間に突き立て転び落ちようとするのを防いだり、まるで杖をば船頭が櫂を使うような具合に自在に使う、あるいはヒョイと雪車に載せられて千仞の谷底に落ちようとする場合にはうまく岩の端へ杖を突き立てて防ぐ。