Japanische Klassiker mit Furigana
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チベットりょこうき
チベット旅行記
河口 慧海
Lesen Sie チベット旅行記 (チベットりょこうき) von 河口 慧海 (かわぐちえかい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 531.520 Zeichen · 1042 Bildschirme
湖上の弦月と暁の雪峰
その湖岸の大分広い道を東北に向って行くこと二里半ばかりにして、パルテーという駅に着きました。その駅には湖に臨んで居る〔小〕高い山があって、その〔小〕山の上に城が建って居る。その城の影がさかさまに水に映って居るので夕暮の景色は実に得も言われぬ面白い風情である。その城の下のある家について泊りました。その日は十里余り歩きましたが、景色のよいのでそんなに疲れも感じなかったです。翌三月十六日午前四時に雪と氷を踏み分けながら湖辺に沿うて東北に進んで参りますと、やはり左側は山で右側は湖水である。その道はやや北に向って居るけれど、決して一直線に付いて居るのでなくって山のうねうねと畝ねくって居るところを廻り廻って、あるいは昇りあるいは降って行きますので、随分氷で辷り転けたりあるいは雪の深い中へ足を突込むこともある。その危険は非常であるけれども、ヒマラヤ山を踰えた危険に比すれば誠にお茶の子で訳なく進むことが出来ました。
湖上の弦月と暁の雪峰 暁霧を冒して少しく山の上に登ったところで、いかにも景色が美うございますから湖面を眺めますと、碧々たる湖上に浮んで居るところの朦朧たる山脈の間から正月二十六日の弦月が上りかけたその美しさ……微かなる光が湖面に映って何となく凄味を帯びて居りますが、次第に夜の明くるに従って月の光の薄らぐと同時に