Japanische Klassiker mit Furigana
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チベットりょこうき
チベット旅行記
河口 慧海
Lesen Sie チベット旅行記 (チベットりょこうき) von 河口 慧海 (かわぐちえかい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 531.520 Zeichen · 1042 Bildschirme
諦め易き国民
もちろん一番未来の勝利者は誠実なる方に在ることはきまって居りましょうけれども、今の外交上の場合には一時どうなるか分らんです。容易に判定することが出来ん。ただこの時に当り英領インド政府不注意であったならば露国は遠からずラサ府まで侵入するでありましょう。
諦め易き国民 果たして侵入することが出来ればそれはもう訳はない。元来チベット国民は仏教を信じて居る優しい心の人間で「これはどうも前世の約束である」というて諦めてしまう。ごく消極的因果のみを信ずる性質で、これから進んで自分の国を独立せしめ、そして立派に国の名誉を挙げようという積極的精神に乏しい人民ですから、ひとたびロシアがラサ府に入った以上はチベット人は諦めてしまうです。もし露国がラサ府に入ったその時は、もはや英領インドの末路がここに現われ来ったものであるというてよい位です。
制海権を握られたる海の上の戦争も確かに怖いけれども、ヒマラヤ山のごとき世界の金城鉄壁を楯に取って上から下に臨む戦争も、恐ろしいものであると信ずるです。そうなれば露国は、かのペートル大帝の名高い遺書が世界に実現される事になるは言を俟たぬ。