Japanische Klassiker mit Furigana
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チベットりょこうき
チベット旅行記
河口 慧海
Lesen Sie チベット旅行記 (チベットりょこうき) von 河口 慧海 (かわぐちえかい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 531.520 Zeichen · 1042 Bildschirme
どこに落ちつくか
頼む木陰に雨が漏る
どこに落ちつくか ということが問題で、実はラサ府の中にも随分怪しい木賃宿のようなものが沢山あり、また酒舗もあって人を欺いて金を取るというような事も聞いて居りますから、なるべくならば自分の知って居る所に着きたい。その知って居る所というのは、かねてダージリンで知合になりましたパーラー家(摂政)の公子。この人がダージリンへ来ました時分に大変親しく交際して、私がラサ府に着けば必ず充分に世話をするという約束もあり、随分善さそうな人でもあり、旁私もその人のためには充分利益になる事をしてやったものですから、もちろん自分が恩を被せたのを鼻にかけてその恩を返してもらおうために行くのではありませんけれど、どうもほかにしようがないからその家を尋ねて参りました。その家なるものはバンデーシャと言い、屋敷が一町四面ほどあってなかなか立派なものです。行って尋ねますと、
頼む木陰に雨が漏る とでも言うのですか、その私の尋ねる公子は居らないと言う。どこへ行ったかと言いますと、彼は気狂いだからどこへ行ったか分らないという答えなんです。私もその時には驚きまして、「それはいつ気狂いになったか」