Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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チベットりょこうき

チベット旅行記

河口 慧海

Lesen Sie チベット旅行記 (チベットりょこうき) von 河口 慧海 (かわぐちえかい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 531.520 Zeichen · 1042 Bildschirme

Aozora Bunko

水に渇する生きたる餓鬼

その水が真赤

腹の中から水を求めて居るようになったけれども仕方がない。だんだん進んで行くけれどもどれだけ進んでもさて水のある所が見付からない。今夜も水を得られずにいた日にゃあこのまま死にはせぬかと非常に苦しくなった。その度に宝丹を出して飲むけれども飲むとかえって余計喉が乾く位、しかし幾分の助けにはなったろうと思います。それからだんだん進んで十一時頃になると向うの方にちょっと低い溜りのあるような所が見えた。あすこに水があるだろうと思ってそこへ指して砂を踏み分けつつ行きますとなるほど水がありました。その時の嬉しさは何とも堪え得られんほど嬉しかった。まあこれを一つしっかりと飲んでそれから茶を沸かそうともう片時も待って居られないから、早速荷物を卸して懐ろから椀を出して汲もうとすると

その水が真赤 になって居る。これは何か知らんと思うとチベット高原にある一種の水なんで、それは何百年この方そういう風に腐敗してそこに溜って居ったものであろうかと思われる位。早速汲んだところが細かな虫がウジウジして居る。これじゃ直ぐ飲むという訳にはいかない。殊に虫のあるような水を飲むことは私共には許しませず、どうもこいつあ困った、しかしこれを飲まなくちゃあ立ち行かず、飲んじゃあ仏戒にも背くし第一自分の身体を害するがどうしたら宜かろうかと暫く考えて居りまし