Japanische Klassiker mit Furigana
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チベットりょこうき
チベット旅行記
河口 慧海
Lesen Sie チベット旅行記 (チベットりょこうき) von 河口 慧海 (かわぐちえかい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 531.520 Zeichen · 1042 Bildschirme
法王の元気
ただ足らぬところは文明的の教育を受けて居らないというだけであって、その他の事は人間としてほとんど完備して居るほどの人である。ことに下民の情によく通じ、そうして民意を容れ民心を収攬することに力め、また法律を正しゅうしてほとんど賄賂をもって事を扱うことが出来ぬような果断の処置をやる方ですから、私はこの法王こそチベット国を独立させるに足るだけの心を持って居らるる方だろうと信じて居りました。
法王の元気 しかるにこれまで英国政府からして何かチベット政府へ掛合い事があって、ややもすると合戦でも起しかねまじき語気を見すと、法王は大いに恐れて小心翼々として心配をせられ、御膳さえろくに召上らず日夜心を悩まされたそうですが、この頃はこれと打って変って強くなった。イギリス政府がその領分を明らかに定むるために、チベットのある地方においてこれまでの領分より少し余計の場所を取った。その取ったのも訳があるので、ロシア政府がチベットに対しいろいろの術策を施すのを見兼ねて、チベット政府の意向を探るために土地を取ったらしい。
ところが法王は少しも怯む気色なく、いつでも我が国では英国と合戦をやるというような意気込みで、誠に愉々快々として豪傑の本色を表わして居ったというて、感心して居った人がありました。