Japanische Klassiker mit Furigana
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チベットりょこうき
チベット旅行記
河口 慧海
Lesen Sie チベット旅行記 (チベットりょこうき) von 河口 慧海 (かわぐちえかい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 531.520 Zeichen · 1042 Bildschirme
砂が波を立てて来る
と言って眼を開かんでは方向を見る訳に行かず、眼を開けば砂が一ぱい入って来るという訳ですから何とも仕様がない。そうかと言ってジーッと坐り込んでばかり居る訳にもいかない、
砂が波を立てて来る のですから……。ああいう荒い凄まじい景色は日本に居る時などは夢にも見たことがなかった。砂がドシドシ波を立てて来る。ですから堪らんです。砂地がほじくられたようになってドーッと荒んで来る。ですから暴風のために今前にあった岡が失くなってまた向うに砂の岡が出来て居るというような始末。どうもそういう中ですから坐って居ることも出来ず進むことも出来ず進退これ谷って心中に経文を読んで居りましたが、その暴風は幸いにして一時間ばかり経つとヒョッとやんでしまいました。大いに安心してその砂原の中をだんだん進行してちょうど五時頃当り小さな草も生えて居れば棘のある低い樹の生えて居る所に着きました。その樹は日本の茶畑のような具合にぼつぼつと生えて居てみな針がある。寒い所であるから葉は青くなって居らんで真っ黒になって居る。こりゃよい所に着いた。この辺の水の在る所で今夜はこの枯れた樹を集めて、まあ火がよく出来るという考えでその辺の池のある所に荷を卸してまた例のごとく枯芝を集め野馬の糞を拾ってその夜はごく安楽に、その泊った所も誠に池の中のような所に入ったから