Japanische Klassiker mit Furigana
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チベットりょこうき
チベット旅行記
河口 慧海
Lesen Sie チベット旅行記 (チベットりょこうき) von 河口 慧海 (かわぐちえかい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 531.520 Zeichen · 1042 Bildschirme
女巡礼に恋慕せらる
そういう風にして十から百、千と沢山な勘定をして行くんです。まあ我々が早く読み早く数えて一時間位で済ます加減乗除の勘定を彼らは四人ばかり掛って慥に三日間の仕事があるのですから、実に迂遠千万と言わなければならんです。そういう遣り方で売買をするものですからなかなか暇が掛る。その商いをする所に三日ばかり逗留して見て居りましたところが、誠につまらない話が一つ起って参りました。それはかねて一緒に参りました巡礼者らは非常に私を信仰した。余り信仰して誉め上げる余りに
女巡礼に恋慕せらる そのうちの歳のいかない娘が非常に思いを深くしたものと見えて、私に対して訝しな怪しい素振りが大分見えて来たです。ですから、私はその意中をじきに察しました。ははあ、こりゃ何だな、権力なりあるいは富貴の力なりを慕うのは大抵婦人の常であるから、大方同行の親兄弟がこの坊さんは非常に学問があり徳があるというようなことをたびたび言って聞かせたので、それで我を忘れてこういう風な思いが兆したものであろうと思ったです。だからじきにその恋慕に対する垣を設けました。その垣は仏教上の道理で、真正に僧侶の行うべき事、すべて僧侶というものは清浄であって世の福田となるべきものであるということを説きまして、もしも不清浄な事を行って間違いが起ったならば無間地獄へ落ちるのは当り前