Japanische Klassiker mit Furigana
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チベットりょこうき
チベット旅行記
河口 慧海
Lesen Sie チベット旅行記 (チベットりょこうき) von 河口 慧海 (かわぐちえかい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 531.520 Zeichen · 1042 Bildschirme
気の知れぬ巡査
私は荷持を連れ僧服を着けてぼつぼつラサの町を出て、釈迦堂の少し前の所へ来ると
気の知れぬ巡査 巡査が一人居りましてずかずかと私の前へ走って来まして、時が時ですから何か変な事でも発覚して捉えに来たのじゃないかと、ちょっと私も注意を惹き起したです。すると私をジーッと眺めて「おめでとうございます」という訳なんです。どういう訳でそういう事をいい居るのか一向訳が分らん。分らん事にどうとも挨拶が出来んものですから黙って居りますと「実におめでとうございます。まあ何もかもよく整いましておめでとうございます」と何をいい居るのか少しも分らんから、私は「ふーん」と一声放った切りで様子を見て居ますと、その男が三遍礼拝しました。
「こりゃあ私を捉える訳でもないらしい。しかしどうも奇態だ礼拝するというのは」と思って居るうちに不意と気がついた。なるほど私の着て居る法衣は大臣の所から借りて来たので、いわゆる高等官吏まず侍従医にならなければ着られぬ位の着物です。ところでその時分私が侍従医になるとかならぬとか非常に評判の高い矢先に、そういう立派な着物を着て出掛けたものですから、先生いよいよ私が侍従医になったと判断を下したに違いない。