Japanische Klassiker mit Furigana
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チベットりょこうき
チベット旅行記
河口 慧海
Lesen Sie チベット旅行記 (チベットりょこうき) von 河口 慧海 (かわぐちえかい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 531.520 Zeichen · 1042 Bildschirme
その辺は一面の積雪で埋って居りますから……で都合のよい石のあるような所を見付けてそこの雪を払ってまずそこに荷物を卸し、ヤレヤレとそこでまず一息して南の方を眺めますとドーラギリーの高雪峰が雲際高く虚空に聳えて居る。高山雪路の長旅苦しい中にも遙かに北を眺めて見ると、チベット高原の山々が波を打ったごとくに見えて居るです。その間には蜿たる川が幾筋か流れて居りましてそのよって遠く来る所を知らずまたその去る所をも見ることが出来ない。雲の裡に隠れて居るという有様でござりますが、実にその景色を見た時には何となく愉快なる感に打たれてまずその南方に対しては、これより遙か以南なる釈迦牟尼如来が成仏なされたブダガヤの霊場を追想し、曩日彼の霊場において誓願を立てたがこの国境までにはまずどうにか無事に着いたかと思うと、かつて郷関を辞する時分には今より三ヵ年の後にはチベットの国境にはいることが出来るであろう、何かの準備を整えなくては到底望みを達することは覚束ないからまず三ヵ年と見積らねばなるまいという考えをして参りましたが、ちょうどその予考通りに三ヵ年の日子を費やした。
明治三十年六月二十六日に出立して明治三十三年七月四日にこの国境に着いたのであるから自分の予期の違わざりし嬉しさに堪えられなかったです。